二人のクリエイティブの融合から生まれた、これまでにない「写真」と「ことば」のギフト。
本企画では、写真と言葉のクリエイターがコラボレーション。贈る相手のことを考えながら撮影された「写真」に、「ことば」を添えることで、新しいギフトを作り上げます。
写真を担当するのは、日常の風景や美しい景色を独自の視点でグラフィカルに切り取る写真家・金本凜太朗(かねもと・りんたろう)さん。言葉を担当するのは、すっと感情を映し出すような軽やかで芯のある言葉を紡ぎ出す歌人・伊藤紺(いとう・こん)さんです。
まず、伊藤さんにギフトを贈る“相手像”を設定していただき、その相手を思い浮かべながら金本さんが写真を撮影。さらに、その写真に添える言葉を伊藤さんに紡いでいただきました。
伊藤さんが思い浮かべた相手像は、「長い悲しみの中にいる君へ」。さて、どんな「写真」と「ことば」のギフトが生まれたのでしょうか。
「長い悲しみの中にいる君へ」

この先もきっといっぱい泣くけれど
こんなに痛いのは今だけだろう
写真 / 金本凜太朗
言葉 / 伊藤紺
淡いブルーの中に点々と白い光が散りばめられた、ファンタジックな雰囲気も纏う光景。よく見ると、白い点は建物や車など、街の光なのだと分かります。
写真は、「日常を遠い場所から無心で眺めてみると憂鬱な気分が晴れていく感じがして、あてもなくタワーに上ることがある」という金本凜太朗さんが、日が暮れた後、スカイツリーの展望台から撮影したものです。
金本さんの写真を見て、なんだかふと時間がとまったように感じたという伊藤紺さん。日常から離れ、自分の感情をも俯瞰して見られるような、ちょっと楽になる、魔法のような力を感じたそう。
そんな印象とともに、「長い悲しみの中にいる君へ」向けて湧き出てきたのは、ふと俯瞰モードになるような言葉。この先も泣くことはあると思うし、悲しみが消えるかはわからないけど、今現在のえぐれるような自身が支配されるほどの胸の“痛み”は、きっと一時的なものだから、という思いが込められています。
あなたも「写真」と「ことば」を、贈ってみませんか?

写真はポストカードサイズでプリントし、言葉を添えればすてきなギフトに。
どんな風に受け取ってもいい。多くは語らなくてもいい。
でも、写真を撮ってくれたこと、ことばを紡いでくれたこと、それを想像するだけで心があたたかくなる。そんな「写真と、ことば」の贈りもの。あなたも誰かに贈ってみませんか?

1998年広島県広島市生まれ。2020年東京綜合写真専門学校卒業後、フリーランスとして東京を拠点に活動を開始。Webや雑誌などさまざまな媒体でジャンルを問わず撮影を行うほか、Zineの自主制作や写真展の開催など作家としても精力的に活動している。

著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』、『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)。2022年バレンタインに合わせたチョコレートとセットのミニ歌集『hologram』(CPcenter)を発売。ブランドや雑誌への短歌寄稿のほか、ファッションビルのリニューアルコピーを担当するなど活動の幅を広げる。
Text&Edit:Shiori Akiyama(RIDE inc.)
2022.10.26公開
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