「無花果と生ハム、ブルーチーズの一皿」の写真

美しい一皿のレシピ「無花果と生ハム、ブルーチーズの一皿」 /東京・西荻窪「オルガン」三軒茶屋「ウグイス」オーナーシェフ・紺野真さん

おいしいものは人を幸せにする。料理が好きな人も、得意じゃない人も。手間をかけてじっくり料理と向き合うのもいいけれど、さっと作れて味はたしか。目にも美しい一皿ができたなら、料理の幅がぐんと広がって、作ることがもっと身近でたのしいものになる。

今回は、そんな自宅で作れる美しいレシピを東京・西荻窪のビストロ「オルガン」、三軒茶屋「ウグイス」のオーナーシェフである紺野真さんに教えていただきました。

作ったら写真に収めて、カレンダーやフォトブックにまとめてカタチにするのもよし。おいしい記憶が詰まった写真は、味わうだけでなく暮らしをきっと豊かにしてくれる。まずはレシピをお試しあれ。

「無花果と生ハム、ブルーチーズの一皿」の写真

ひと手間加えたソースと素材だけ。
目に美しいシンプルな一皿

生ハムとブルーチーズの塩気に、無花果とバルサミコ酢、ブルーベリーの甘味と酸味を組み合わせた一品は「ワインとの相性抜群です」と紺野さん。市販のバルサミコ酢を煮詰めてとろみを出すことで、長期熟成した高級バルサミコ酢を思わせるまろやかな甘みのある味わいに。あとは食材を切って、丁寧に器に盛り付けるだけで完成。

桃、ぶどうなど旬の果実を使ったり、ブッラータチーズやモッツァレラなど好みのチーズでアレンジもできます。

Recipe:無花果と生ハム、ブルーチーズの一皿


材料(作りやすい分量) 調理時間:25分

市販のバルサミコ酢(350ml〜500mlサイズのもの) 1本
ブルーチーズ 適量
生ハム 1枚
無花果 1個
ブルーベリー 5〜6粒
好みのハーブ(今回は「アマランサス」を使用、タイムやバジルなどもおすすめ)
EXVオリーブオイル 適量

How to cook

バルサミコソースを作る様子

1 バルサミコソースを作る
市販のごく一般的なバルサミコ酢をまるまる1本鍋に入れ、中火にかける。沸騰したら弱火にして、ぐつぐつと煮詰めていく。(でき上がりの量は、元のバルサミコ酢の量の1/4くらいに)

バルサミコを煮詰める様子

2 バルサミコを煮詰める
吹きこぼれないように注意して、バルサミコ酢をさらに煮詰める。量が1/2くらいに減ってきたら、鍋の内側の目減りしたバルサミコ酢の跡が焦げやすくなるので、ゴムへらなどを使ってこそげ落とすようにする。

MEMO
煮詰めるため高級なバルサミコ酢ではなく、市販のごく一般的なバルサミコ酢を使用(今回は「カルディ」で購入)。かんたんかつ冷蔵庫で長期保存が可能なので、一度に作って常備するのがおすすめ。焼いた野菜や肉、チーズやアイスクリームなどにかけてもおいしい万能なソース。

バルサミコソースにとろみがついている様子

3 とろみがついたら火からおろす
全体的にかすかにとろみが付いてきたら火からおろして冷ます。粗熱が取れたら、タッパーや小瓶などの清潔な容器に入れて、冷蔵庫で冷やす。

MEMO
ソースが冷めると粘度が増します。火にかけた状態でとろみが強く出るまで煮詰めすぎると、冷やした時にソースが固くなってしまうので注意。冷やした時にソースが固い場合は、水を少量くわえて伸ばすことで固さの調整ができます。

切り分けられた材料の写真

4 材料を切り分ける
ブルーチーズ、生ハムは食べやすい大きさにカット。無花果は1/4〜6の大きさにカットする。

食材を盛り付けている様子

5 食材を盛り付ける
器に③のバルサミコソースをスプーンで曲線を描くように流す。その上にブルーチーズ、生ハム、無花果、ブルーベリーを散らし、好みのハーブを飾る。

仕上げの様子

6 仕上げる
仕上げに粗挽きの黒コショウ、EXVオリーブオイルを回しかけて完成。好みで無花果にレモンを絞ってもおいしい。

Point

盛り付けの時のポイント

盛り付けは、慎重かつ大胆に。
シンプルな分だけ盛り付けは丁寧に。慎重に仕上げつつも、大胆さも重要だという。実際に絵を描くよう波状の曲線でバルサミコソースを流す紺野さんは、盛り付けを一発で決めることで作りすぎない自然な仕上がりに。生ハムはひねって立体感を出すと皿にリズムが生まれる。あとはバランスをみて、フルーツやハーブを散らす。

盛り付ける皿の写真

シルバー皿でシックな印象に。
器に選んだのは、茨城県・笠間の陶芸家、船串篤司さんの作品。お店が開店したころから使用しているという銀のプレートは味のある趣。シックな印象に仕上がる銀皿のほかに「フランスのアンティークの青い絵皿もすてきだと思いますよ」と紺野さん。

「無花果と生ハム、ブルーチーズの一皿」の写真

撮影する際は、まず主役を決めて。
人と同じように料理にも正面や横顔があるので、撮影前に主役を決めることが大事。切った無花果の色や形の特長をみながら好きな角度をみつけると◎ 無花果のような立体的な食材を寄りで撮影する際は、斜め上から撮影すると綺麗に写ります。また円形のお皿は、皿全体を写さずに寄って画を切り取ることで収まりがよくなることも。器を左斜め上から光が差し込む位置におくと陰影がでて今回のような雰囲気のある立体的な写真になります。


思わず撮影したくなる美しい料理。作ったら記録してカレンダーやフォトブックなど手に取れるカタチに残すのもおすすめ。おいしい記憶はもちろん、共に食卓を囲んだ日のこと、友人の表情、語り合ったことなど…。ありありとその日の出来事が蘇える。思い出が詰まった写真は、暮らしをきっと豊かにしてくれる。

紺野真さんのプロフィール写真
「ウグイス」「オルガン」オーナーシェフ

紺野真さん

1969年東京都生まれ。学生時代に渡米し10年現地で暮らす。帰国後、カフェやビストロで修行を経て、2005年に東京・三軒茶屋に「ウグイス」、’11年に西荻窪「オルガン」を開店。現在は、’21年秋にリニューアルしたウグイスに立つ。著書に『なぜかワインがおいしいビストロの絶品レシピ』。

Photo:Ryo Tsuchida
Text&Edit:Sakurako Nozaki(RIDE inc.)

Shop Data

紺野真さんのレストラン「オルガン」の写真

オルガン
住所 東京都杉並区西荻南2-19-12 シーバース西萩1F
電話 03-5941-5388
Instagram  @organ_tokyo

ウグイス
住所 東京都世田谷区下馬2-29-6 草場ビル1F
電話 050-8013-0708
Instagram  @u_g_u_i_s_u

2022.10.12公開

美しく仕上がった一皿を写真に収めて。

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